行政書士とは

行政書士とは、役所に提出する書類や契約書等を作成する法律系の国家資格者です。

行政書士の業務(行政書士法第1条の2、第1条の3)

(1) 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする。

(2) 行政書士は、(1)のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次の①から③の事務を業とすることができる。
① 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法第72条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。
② 前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
③ 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

(3)行政書士は、(1)(2)の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

行政書士になるには

行政書士になるには、原則として、まず行政書士試験という国家試験に合格しなければなりません。

資格(行政書士法第2条)

次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。
①行政書士試験に合格した者
②弁護士、弁理士、公認会計士又は税理士となる資格を有する者
③国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が通算して20年以上(高等学校を卒業した者にあつては17年以上)になる者

そして、試験合格後、正式に行政書士となるためには日本行政書士会連合会の登録を受ける必要があります。行政書士試験に合格しても、法律事務を扱う国家資格者にふさわしくな者(たとえば、犯罪者など)は登録を受けることができず、行政書士になることはできません。ですので、行政書士資格を持っている人は、『信用できない人ではないだろう(多分)』という推測はできることになります。

登録(行政書士法第6条)

行政書士となる資格を有する者が、行政書士となるには、行政書士名簿に、住所、氏名、生年月日、事務所の名称及び所在地その他日本行政書士会連合会の会則で定める事項の登録を受けなければならない。

欠格事由(行政書士法第2条の2)

次の①から⑧のいずれかに該当する者は、前条の規定にかかわらず、行政書士となる資格を有しない。
①未成年者
②成年被後見人又は被保佐人
③破産者で復権を得ないもの
④禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから3年を経過しないもの
⑤公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
⑥第6条の5第1項の規定により登録の取消しの処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
⑦第14条の規定により業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から3年を経過しない者
⑧懲戒処分により、弁護士会から除名され、公認会計士の登録の抹消の処分を受け、弁理士、税理士、司法書士若しくは土地家屋調査士の業務を禁止され、又は社会保険労務士の失格処分を受けた者で、これらの処分を受けた日から3年を経過しない者

行政書士試験について

行政書士試験は、法律上は都道府県知事が実施することになっています(同法第3条2項)が、実際には、知事は財団法人行政書士試験研究センターに試験事務を委任しています。

行政書士試験の合格率は次の通りです。

2003年 2.89%
2004年 5.33%
2005年 2.62%
2006年 4.79%
2007年 8.64%
2008年 6.47%
2009年 9.05%
2010年 6.60%

2003~2006年までは、比較的難しかったのですが、近年(2007年以降)はやや簡単な試験となっています。それにしても、合格率は10%以下です。

行政書士試験では次の法律が出題されます。
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法)、民法、商法及び基礎法学、情報通信・個人情報保護

まとめますと、行政書士試験は合格率10%以下の法律系国家試験であるということになります。

資格(行政書士法第2条)

次の各号のいずれかに該当する者は、行政書士となる資格を有する。
①行政書士試験に合格した者
②弁護士、弁理士、公認会計士又は税理士となる資格を有する者
③国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間が通算して20年以上(高等学校を卒業した者にあつては17年以上)になる者

行政書士がお手伝いできること

行政書士は、非常に多くの法律事務を行うことが法律上認められています。普段の生活の中で必要な法律事務のほとんどに対応できると考えていただいても差支えがないほどです。具体的には、サービス一覧のページをご覧ください。

注意していただきたいのは、行政書士は法律事務であっても、他の法律で禁止されている業務は行うことができないという点です。具体的には、次のような法律事務のお手伝いを行政書士が行うことは、原則としてできません。

  • 税法に関する法律事務(例外あり)
  • 社会保険に関する法律事務
  • 示談交渉や訴訟に関する法律事務
  • 登記の申請
  • その他、法令で禁止されている法律事務

実は、行政書士がどのような業務ができるかというのは、法律の解釈上、非常にややこしい問題です。そこで、このページでは、極めて簡単にご説明させていただきました。ご不明な点は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

2012年12月24日

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